虚無体育倉庫

いろいろなものが置かれ、埃も溜まり

足柄駅長距離徒歩乗換実施異常男性三人組

 
 
 まず、最初に断っておきたい。

 これは電車の乗り換えである。

 なんか明らかに寄り道しまくってるし、本人たちもほぼ終始忘れていたが。

 これは乗り換えである。

 我々はただ単に、足柄駅構内にて乗り換えをしただけである。

 以上。




 とは書いたが。まぁただの乗り換えが記事になるわけもなく。

 今回は某Discordサーバー散歩部メンバーで、足柄駅(JR御殿場線)から足柄駅小田急線)への約27kmの乗り換えを歩いてきたので、そのレポなのかなんなのかを書いていく。

 
 まずは少し前日譚を。

 今回の乗り換え、予定では先駆者の記事にしたがい小田急側からJR側に向かって歩く予定だったのだが。当日の午後から雨予報+JR側の道は割と山道。という条件が重なった結果、JR側から小田急側へと歩くことになった。

 そして、これが今回の我々を救うこととなる決断となった。が、その内容は追々。

 毎度のことながら前置きが長い。本編へGo。

 予定通り集合し、午前10時ごろJR御殿場線足柄駅に到着。天気は晴れ。少し風は強いものの、過ごしやすい秋の気候が広がっている。

 そこまでは全く問題ない。問題ないのだが。

 明確に問題がある人間が一人、いた。

 私のことだ。

 この男、コンバースを履いてきているのである。

 馬鹿なのか?

 27km、登り約300mの道のりを、歩き疲れやすいことであまりにも有名なコンバースで歩こうとしているのだ。馬鹿以外の何者でもない。

 同行者二人はきちんとしっかり目のスニーカーを履いてきているというのに。

 あまりにも愚かである。

 そんな愚か者を含む三人組は駅前のコンビニで軽食と飲み物を買い、歩き始めた。

 他愛もない雑談をしながら歩いていくと、小さな鳥居を発見。我々散歩部は雰囲気で歩くことを得意としているので、ここでも雰囲気に従い寄ってみることに。

 小さな神社で、こういう場所で友達と放課後に喋っていたかったとか話していたのだが。本殿の前で後ろを振り向くと、少し雲がかかっているものの富士山までの景色がすっと広がっていた。ただ綺麗なだけではなく、情緒というか感情はある景色だったので、本当に写真を撮っていなかったのが悔やまれる。愚か者。

 歩く、というのは電車なり車なりを使って移動とするのと違って、小さな出会いがたくさんあるのがとても良い。人類皆、散歩をするべき。

 話が逸れた。

 しばらくは足柄峠に向かっての登りが続く道。しかし、我々は歩き始めたばかり。元気と愛と希望に満ち溢れているので、何の苦もなく歩いていく。しばらくそうしていると。

 景色が広がる場所に出た。

 ゴルフ場ビューなのが少々残念ではあるが、すすきもあり秋らしい気持ちの良い景色。ちなみに写真を撮ってる間ずっと雲に隠れている富士山を撮っているつもりだったのだが、撮り終わった後で冷静に見渡すと、富士山はもっと右に存在していた。この人間、今のところ愚かな所しかない。

 そしてその場所のすぐ隣には、行き止まりの表記のある案内標識が。

 若干、加工をしすぎである。

 行き止まりと峠を示す標識、いい感じに荒廃の雰囲気を醸し出していて良い。その雰囲気を強くしたくて加工しているのだが。荒廃というか怪談の雰囲気になっている。スマホでの写真の加工、気軽にできるし楽しいのだが、割とセンスを問われがち。

 この分岐はもちろん足柄峠の方に進む。そうしてまたしばらく歩いていると。

 立派な石碑?が現れた。

 読みづらい文字を見たら読みたくなるのが人間の性。例に漏れず読もうとし。

 上三文字を「黄金の」と読んだ。

 しかし我々は理性ある人間。流石にそんながめついことは書いてないだろと思い口に出さずに待っていると。同行者が側にあった看板を読んで教えてくれた。

 南無阿弥陀仏、と書いてあるらしい。

 よかった。そんな言葉を黄金なんて読んでいたことがバレずにすんで。

 そんなこんなで歩き続け、足柄古道という道に入ってみたら割と結構登山道みたいなとこで慄いたりもしつつしていると。足柄峠に到着した。ここまで2時間弱ほど。登りだったことを考えれば、まぁ順調な方だと思う。

 峠、といえば景色がよく。景色が良いということは人間は写真を撮るので。再び異常加工写真のコーナー。

 まぁまぁお気に入りの写真。

 ぱっと見だとちょっと分かりづらいが、富士山を撮っている。

 曇りの日は空が映えず、パッとしない写真になることが多い(個人の見解)が、陰影を強くして雲の勢いというか造形というかを際立たせると結構雰囲気が出ることもあるような気がする。

 ちなみに何故か恒例になっているBATLLE NO.1(Arcaea)のローテーションは足柄峠にあった東屋でやった。いつかPMを出したい。

 休憩(音ゲーを休憩というのかは謎)もそこそこにまた歩き出してすぐ。

 静岡県を抜け、神奈川県へと入った。

 二つの県を歩くうちの半分が終わったのだ。ここで神奈川なら意外と楽そうだなとか内心思っていたのだが。

 よくみると左上に「小田原 21km」の表記が。

 実は目指す小田急足柄駅、足柄とはいうものの実質小田原に存在している。

 つまりゴールまではまだ20kmもある。ということである。逆にいえば27kmのうち、まだ7km程度しか歩いてないということ。るんるんだった気持ちはどこへやら。先の長さを思い知り若干暗い気持ちになる。

 まぁ落ち込んでいても行程は短くならないので歩き続ける。一度登り切ったのでほとんど下り。下り、足が疲れている時は辛いがそうでなければ気楽である。歩くスピードも上がり、私が寝ぼけた頭で考えた謎ルール協力系しりとりをしていると、寄ろうとしていたうどん屋さんに到着。

 意外にも人気店だったらしく、二組ほど並んだ。メニューを見るとどうやらカレーうどん押しのようなので三人ともカレーうどんを発注。

 スパイシーで美味であった。食レポは苦手なのでご容赦。

 ちなみにこの人間、服装が白のシャツの中に白のTシャツとかいう世界一カレーうどんを食べるのに向いていない服装だった。愚かである。一応、一切の汚れをつけずに食べ切ることには成功した。安堵。

 そんなこんなでお腹を満たしだいぶ回復した我々だったが。ここで遂に雨が降り出してしまった。昼まで持ったので天気予報からしたらまぁいい方だったと思う。

 記事を書いていて思ったのだか。この旅、基本歩くことしかしていないので一度話題が区切れた後、また歩き始めたで始める他なくて難しい。文才があればもっと色々やりようはあるのだろうが。

 ということでまた歩き始めた。まだ下りである。ずっと下りである。登った高さ以上に下っている様である。

 という様に。かなり下りが長い。しかもここまできても全体の半分も歩いていない。つまりだ。もし逆側からスタートしていた場合、半分以上を歩いた後にこの永遠と続く登りを見上げながら歩くことになっていたのだ。しかも暗くなってくる雨の中。想像したくもない。とまぁ、これがJR側からのスタートに変更したことが英断だった所以だ。もし同じ乗り換えを検討している方がいれば、絶対にJR御殿場線足柄駅からスタートしてほしい。そんな人がいるのか甚だ疑問ではあるが。

 とまぁこんな感じで下ってる間に

 放棄されたであろうショベルカーを見て人類荒廃の物語を妄想したり

 遠くの方に虹が見えて喜んだりしていた。

 まぁそんな感じで楽しく歩いていると、道は街中とまではいかないもののそこそこ住宅街っぽい場所までやってきた。

 そして

 異常に急な坂を誇る神社があった。

 坂の始まりの左右に南中、陸部と書いてある。おそらく南中の陸上部の汗と青春と疲れと血がこの坂にはあるのだろう。多分この坂でコケたら痛いでは済まない。

 そんな中学生の想いを想像しながら登っていったが。

 私は小学生なので発想が違う。

 そりゃあこんな坂見たら丸いもの下まで転がしたくなるよね!!!!

 はい。やりません。当然ながら。フリを写真に収めたのみ。もう小学生じゃいられない。

 と子供じみたことをしながら歩いていくと。

 日は暮れ始め、電車は橋を渡り。

 同行者が見つけてくれたお菓子屋さんでかぼちゃ餡のどら焼きを買い。(おいしかった)

 夜の帳が下り。疲れ始め。

 やっと、小田原市……

 この電車に乗っていたらはやかっただろうなぁ…………

 足がだいぶ痛い。

 だいぶ疲れた。

 あれ?

 なんのためにこんな歩いてたんだ?

 なんのためにここにいるんだ?

 私はどこからきたんだ?

 私はなにものなんだ?

 私は、どこへ行くんだ?

 だんだん、意識が、遠く…………





 うおおおおおO !O O !O !O !O !O!o1お1お1 O I U !o i 1uoU!1!!

 
 足柄!足柄!足柄!足柄!足柄!


 足柄ついた!!!

 
 ついたついたついたついたついた!!!!!!!!!!!!!

 
 めっちゃ歩いた!歩いた!歩いた!歩いた!歩いた!歩いた!

 
 うおおおおおお!O !!!O !O !O !O !U !O U !O!!

 
 帰宅!帰宅!帰宅!帰宅!帰宅!帰宅!帰宅!帰宅!帰宅!
 

 家着いた!着いた!着いた!着いた!着いた!着いた!着いた!

 
 飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!飯!

 たっけぇ肉で牛丼を作る星人!!!!!!!!!!!!!!!!!

 
 うまい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 
 以上です。